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2022.06.07

シックハウス症候群は新築に多い?症状・対策とは?一級建築士が伝授!

シックハウス症候群の症状と対策を解説するコラムのサムネイル画像

新築の家やマンションに行くと、目や鼻に違和感を感じる……。新居に引っ越してから、原因不明の体調不良に悩まされるようになった……。その症状、シックハウス症候群かもしれません!

今回は、シックハウス症候群の症状・原因を解説すると共に、根本的な対策方法・住み始めた後でも出来る対策方法をご紹介します。

新築はシックハウス症候群になりやすいのか不安な方、シックハウス症候群を予防したい方、ぜひご参考下さい!

1.そもそもシックハウス症候群とは?

新築住宅を聴診器で診断する写真

シックハウス症候群とは、住まいの環境が原因で起こる体調不良や健康被害を指します。

風邪などのウイルスによるものではなく、室内・建物内の空気循環が滞ると、有害物質が滞留し、それらを吸い込むことで発症します。一種のアレルギー反応と考えられており、症状の出る部屋や建物から出ると、体調が良くなったり症状が軽くなったりするのも、シックハウス症候群の持つ特徴です。

シックハウス症候群になると、果たしてどのような症状が出るのか、次の項目で詳しく解説いたします!

2.シックハウス症候群の症状って?

シックハウス症候群の症状で目・鼻・のど・皮膚・精神疾患の症状を表したイラスト

シックハウス症候群は、身体のあちこちの器官に健康被害をもたらします。

■目

かゆみやチカチカ・涙目など、不快な症状が目立ちます。コンタクトレンズを使用している場合、より刺激を感じることも!

■鼻

鼻詰まりによる息苦しさ・鼻水が止まらない・ムズムズ感など、花粉症やアレルギー性鼻炎に似た症状が出ます。

■のど・呼吸器

声のかすれ・のどが乾燥する・咳・深呼吸ができないなど、風邪やぜん息に酷似した体調不良を訴えます。

■皮膚

顔や耳・手のカサつきやかゆみ、赤み・湿疹といった、アトピー性皮膚炎のような症状が出ます。国土交通省によると、シックハウス症候群による皮膚疾患は、女性に多いとの調査結果も!

■精神・神経

頭痛や目まい・倦怠感といったものから、人によっては吐気・嘔吐といった症状が出るケースもあります。

体調の悪い女性のおでこに手を当てている写真

同じ部屋・建物内にいても、全く症状が出ない人もいれば、これら様々な健康被害が複数同時にあらわれる人もいます。

3.シックハウス症候群の原因・症状が重くなるものとは?

タバコやペットなど、家全体の有害物質発生を表したイラスト

ここまでご覧になって「部屋の中や家の中に有害なものなんて無いのに、シックハウス症候群になるの?」と疑問を持たれた方、少なくないかと思います。

実は、建築材や壁紙・家具や布製品など……住まい・室内のあらゆるものに、シックハウス症候群を引き起こす原因やリスクが潜んでいるんです!

シックハウス症候群の原因を除去する技術も存在しています。

■建築材

シックハウス症候群を引き起こす建材の写真

薄くスライスした板を接着剤で重ね合わせた合板(ごうばん)や、木材のカケラを接着剤と混ぜて成形したパーティクルボード、フローリングに用いる床材……。


これらの建築材には、ホルムアルデヒドと呼ばれる、シックハウス症候群の原因となる有機化合物が使用されている可能性大!

家の中に揮発性有害物質のホルムアルデヒドが発生しているイメージ画像

このホルムアルデヒドは、無色で水に溶けやすい性質・強い刺激臭を持ち、揮発性(きはつせい)が高いのが特徴です。ホルムアルデヒドの空気中濃度が、0.08ppmを超えるとシックハウス症候群の発症リスクが、大幅にアップします!

なおホルムアルデヒドは、建築基準法で規制対象物質に指定されているため、使用場所や使用面積が厳しくルール付けされています。

アセトアルデヒドを放散するマツの木材の写真

また、木材にもシックハウス症候群になりやすい素材が!

トドマツ、カラマツ、ヤチダモ、ベイマツ、オウシュウアカマツといった建築材は、アセトアルデヒドと呼ばれる、有機化合物を放散(ほうさん)することが確認されています。

アセトアルデヒドというと二日酔いのイメージが強いですが、ホルムアルデヒドと同じく、無色で揮発性があり、刺激の強い臭いを放ちます。

■内装の仕上げ材

壁や天井の内装材の写真

壁・天井にクロス(壁紙)やタイルを貼るには接着剤が、壁・天井を塗るには塗料が、それぞれ必要になります。

こういった接着剤や塗料には、VOCと呼ばれる有害物質が含まれるケースが多く見られます。

VOC有害物質が含まれる接着剤や塗料の写真

VOCとは、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)の略称を指し、光化学スモッグの原因物質の1つとしても挙げられます。

VOCに分類される物質は数多く、トルエンやキシレンなど、建築でよく用いるものだけでも200種類近くにのぼることも!

なお、先に述べたホルムアルデヒド・アセトアルデヒドもVOCの1種です。200種以上のうち13種については、シックハウス症候群を引き起こしやすい化学物質として、濃度や指針値などが厚生労働省よりガイドライン化されています。

💡ワンポイント:よく似た言葉「TVOC」とは何のこと?

TVOCを増やす住宅建設時の道具や材料のイラスト

TVOCとは、総揮発性有機化合物量(Total Volatile Organic Compounds)のこと。「Total:トータル」が表す通り、住宅建設時に使用できるVOCの総量を示しています。

シックハウス症候群を引き起こしやすいがために、ルールが設定されているVOC13種。その13種以外のVOCを、好きなだけ用いてしまうと、やはりシックハウス症候群の可能性が高まってしまいます。

VOCのトータル使用量を、目標値:1㎥(立方メートル)あたり400マイクログラムと定めることで、住まいにおけるシックハウス症候群の発症リスクを抑えているんです!

■家具

塗料や接着剤を使った家具の写真

「家を建てる時、シックハウス症候群にしっかり配慮したから大丈夫!」なんて、油断は禁物です! 住み始めてから導入する家具たちの素材・塗料・接着剤に、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、VOCが含まれている場合があります。

シックハウス症候群の原因物質を含む海外輸入家具の写真

特に海外からの輸入家具は、シックハウス症候群を引き起こす原因物質の、検査・検品がされないパターンがほとんど。

ベッドやデスクを設置した後に、健康被害が出始めた……なんてケースも少なくありません。

マイホームにおけるVOCのトータル使用量が目標値以下でも、家具によって上回ってしまっては、せっかくの新生活も残念な結果に……。

■カーテンなどの布製品

防炎加工や消臭加工されたカーテンの写真

カーテンやカーペットには、防炎加工や消臭加工といった機能面にも優れた品があります。こういった加工は、化学物質を用いることが多いため、シックハウス症候群の症状がひどくなってしまう可能性も!

■タバコや芳香剤・防虫剤

タバコと芳香剤の写真

言うまでもなくタバコは、一酸化炭素・ニコチン・タールといった「有害物質の塊」といったイメージがあります。けれど芳香剤や防虫剤には、身体に害を及ぼす印象は無いですよね。

しかし、芳香剤の中にはVOCの1種であるキシレン、防虫剤には化学物質であるパラジクロロベンゼンが含まれているものが多く、シックハウス症候群の症状を重くする恐れがあります。

■カビ

家に発生するカビのイラスト

「この家には何年も住んでいるのに、鼻水が止まらない・目がチカチカする・喉が乾燥する……。」こういった症状が顕著な場合、カビが原因となりシックハウス症候群を引き起こしているかもしれません!

室内の空気には、1㎥(立方メートル)内に、数個~数千個のカビが含まれていると言われています。

空気中のカビ本体を吸い込むことで出るアレルギー症状のほか、カビがMVOC (Microbial Volatile Organic Compounds:微生物由来揮発性有機化合物) と呼ばれる物質を作りだすと、シックハウス症候群のリスクが急上昇!

家にカビが増殖し臭いが気になる女性のイラスト

MVOCは、確認されているだけでも150種以上あり、その1つには 鼻や目・喉といった粘膜への刺激を 4.6倍に引き上げるとのデータが、厚生労働省より公表されています。

なお、先述したシックハウス症候群を引き起こす化学物質達は、年数経過により徐々に揮発(きはつ)していきます。そのため、化学物質を原因としたシックハウス症候群は、時が経つにつれ落ち着く場合も!

傘、お風呂場、窓、断熱材に発生する水分の写真

しかしカビは、高温多湿な梅雨~夏場はもちろん、水回りや気温差の影響を受ける窓際、見えない部分だと壁内の結露により繁殖する恐れが!

揮発により薄まっていく化学物質とは異なり、カビは、住めば住むほどシックハウス症候群の不安材料になると言えます……。

■ダニ

アレルゲンの原因となるダニがフンをしているイラスト

アレルゲンとして悪名高いダニ。主に、フンや死骸によりアレルギーを引き起こしており、シックハウス症候群の症状悪化の原因にもなっています。

カビと同じく高温多湿な環境を好み、人から出るフケやアカ・食べカス・カビを食料とします。絨毯やカーペットなどの布製品を住みかとしたり、ペットへの寄生のほか、ハウスダストに含まれるケースも!

このように、たくさんの原因が重なり、引き起こされるシックハウス症候群……。これに加え、住まいの高気密化(こうきみつか)も深く関係して参ります!

4.新築はシックハウス症候群になりやすい?

「新築はシックハウス症候群になりやすい」といった印象は、住まいの高気密化が大きいところ。

在来工法で建てられた木造家屋の写真

昔ながらの木造家屋は、在来工法(ざいらいこうほう)と呼ばれる仕様で建てられており、スキマが多く通風性に優れています。これには、夏場に自然の風を取り込みやすくするのと、家を長持ちさせる狙いがありました。

湿気の多い日本で家の寿命を伸ばすには、カビの発生やシロアリの繁殖をどれだけ防ぐかがポイント。在来工法であえてスキマを作り、木材が風・空気にさらされることで乾燥状態を保ち、家を長持ちさせていたんです。

在来工法と現代の家の風通しを比較したイラスト

しかし、エアコンなどの冷暖房家電が普及すると、スキマの多い昔ながらの住まいは、暮らしにくさに繋がっていきました。

スキマの目立つ家は、冷やされた空気・温められた空気が室内から逃げるばかりか、外の熱気・冷気が屋外から侵入するため、快適さを損なうと共に冷暖房の効率もダウン。さらに、暑さ・寒さに弱い住まいは、健康にまで悪影響を及ぼす結果に……。

高気密住宅のイメージ写真

心地よく健康な暮らしのためにも、省エネのためにも、スキマの少ない「住宅の気密化(きみつか)」が、時代の変化と共に重要視されることとなりました。

1980年(昭和55年)より進められてきた高気密住宅は、室内の快適な空気を逃がさない・屋外の不快な空気の侵入を防ぐという、絶大な効果をもたらします!

空気の循環が滞り体調不良になる女性の写真

……が、それと同時に室内の空気の入れかえが滞り、新築や新規分譲マンションでのシックハウス症候群が社会問題化! シックハウス症候群対策として、2003年に国が打ち出したのは、住宅への24時間換気システムの設置を義務づけすることでした。

💡ワンポイント:24時間換気システムの仕組みとは?

3種類の24時間換気システムの仕組みを表した図

24時間換気システムには、「室内の空気を2時間で全て入れ替えること」というルールが定められています。

お風呂場やキッチンの換気扇とは異なり、住まいの各所に換気口を設けている・機械を用いて効率的に給気や排気を行う……といった点も特徴です。給気・排気の方法により、「第一種換気」「第二種換気」「第三種換気」の3タイプに分かれます。

〇第一種換気

給気も排気も、換気扇などの機械を用いて行います。機械で空気の入れ替えをコントロール出来るため、3種の内で最も効果的な換気方法だといえます。

〇第二種換気

空気を取り込む時だけ、換気扇などの機械を使用します。クリーンルームや病院の手術室にも採用されている換気方法です。

〇第三種換気

空気を排出する時だけ、換気扇などの機械を使用します。比較的、コストをかけずに設置できる換気方法です。

5.シックハウス症候群の対策方法を解説!

シックハウス症候群の対策法を、「家を建てる際に出来ること」「引っ越し前に出来ること」「入居直後~住んでいる間に出来ること」に分けて、それぞれご紹介します!

5-1.家を建てる際に出来る対策方法

■建築材で根本対策

新築住宅の内装写真

建築材には、国土交通大臣によって、ホルムアルデヒドの発散濃度を示す基準が設けられています。

JIS(ジス:日本産業規格)およびJAS(ジャス:日本農林規格)で、F☆☆☆☆(エフ フォースター)と表記される建築材は、シックハウス症候群 発症の可能性を、限りなく減らす効果が期待できます!

■接着剤を減らした家づくり

接着剤を使用していない新築住宅のイメージ写真

シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドやVOCは、接着剤として使用されることが多い素材です。

スライスした板を接着剤で繋いだ合板(ごうばん)や、木材のカケラを接着剤と混ぜて成形したパーティクルボードなど、接着剤の多い建材を避けるだけでも、シックハウス症候群のリスク減に!

■床材は国産無垢材で

国産無垢材を使ったフローリングの写真

海外からやってくる建築材は、防虫や防疫のために化学物質を用いた消毒がなされていることがほとんど。シックハウス症候群に加え、ハダシや素手で触る床・フローリングに、そういった建築材を用いるのは気が引けますよね。

床材だけでも、化学物質の含まれない国産の無垢材を使用すると、シックハウス症候群の発症を抑える効果が期待できます!

■内装仕上げには漆喰や塗り壁がオススメ

漆喰で壁を塗る写真

接着剤を用いた内装仕上げは、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、VOCの含有リスクを抱える結果に……。漆喰(しっくい)の壁や塗り壁にすると、シックハウス症候群の原因となる有害物質を使わない壁に仕上げることが可能となります! 

また漆喰や塗り壁には、湿度をコントロールする効果があります。適度な湿度は、化学物質の揮発を抑え、カビ・ダニの発生も抑制!

💡ワンポイント:湿度とシックハウス症候群

結露した窓の写真

室内の相対湿度50%を超えると、シックハウス症候群の原因となる化学物質の揮発が増えます。またカビは、湿度60%~80%で発生しやすい環境に。ダニも同じく、湿度が60%以上で繁殖しやすいと言われています。

■断熱工法・断熱素材にこだわる

断熱工法と断熱素材で暑さや寒さをはね返すイラスト

シックハウス症候群の不安のない家を作るには、建築材・接着剤・床材・内装仕上げだけでなく、暑さや寒さへの対策もマスト!

室内の温度が28℃を超えると、化学物質の発散が増えてしまうという研究データが、国土交通省より公表されています。また、シックハウスの症状を重くするカビは25℃〜35℃で、ダニも20℃~35℃で繁殖しやすく!

断熱工法・断熱素材にこだわると、温度対策に加え、湿度対策も同時にクリア出来ます!

まずは断熱工法から。一般的な断熱工法として知られる内断熱は、コストを抑えて施工できるのが魅力です。

内断熱工法は柱や隙間から熱の行き来が発生するイラスト

しかし、柱と柱の間を埋めるように断熱加工を施すため、柱は外気の影響を受けやすい状況に。さらに、断熱材と柱の間に小さなスキマが生じてしまうことも! 

結果、断熱加工されていない柱の部分・取りこぼしたスキマから熱の行き来が発生します。この熱の行き来を、ヒートブリッジ現象と呼びます。

ヒートブリッジ現象が生じると、夏場は室温が上がり・冬場は結露が出来やすくなり……カビ・ダニの発生要因となってしまいます。

ヒートブリッジ現象を説明したイラスト

そして、断熱素材。

繊維状の断熱素材は、水蒸気から水分を吸ってしまい、性能低下する恐れが! 断熱材が内側から湿ってしまうと、腐食や劣化に至ることに……。

傷んだ断熱素材を使った家は、暑さ・寒さに弱くなるばかりか、家自体の寿命まで縮めかねません。

これらを丸ごと解決するには、外断熱工法が有効です!

外断熱工法は暑さ寒さの侵入を防ぐイラスト

屋根から基礎まで外側からすっぽりと覆う工法の外断熱は、外気の侵入も室内の空気の漏れ出しも防ぐため、夏も冬も快適な室温を約束してくれます。

室温上昇によるシックハウス症候群原因物質の揮発を防ぎ、冬場の結露も抑えカビ・ダニの繁殖抑制に!

外断熱工法で使用する板状の硬い断熱素材の画像

また外断熱工法の場合、水蒸気を吸収しやすい繊維系の素材ではなく、発泡スチロール系やプラスチック系など、板状の硬い断熱素材を用いることがほとんど。水気に強い素材のため、断熱素材が湿気で傷む心配も少なく済みます。

湿度の高い日本の風土に合った、断熱工法・断熱素材だと言えますね♪

5-2.引っ越し前に出来る対策方法

■化学物質の揮発を意識して家具を選ぶ

シックハウス症候群の原因物質が含まれない家具を想像しているイラスト

輸入家具には、シックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒドが含まれる可能性が高いため、国産の家具を選ぶと安心でしょう。

また国産家具であっても、塗料や接着剤にホルムアルデヒドやVOCといった、シックハウス症候群の原因物質が含まれるケースも! リビングや寝室など、長時間滞在する部屋は無垢材を用いた家具を選ぶと◎

なおハウスメーカーによっては、新築一戸建てや建売(たてうり)住宅を購入の際、家具の化学物質揮発を抑える、独自の加工を行ってくれる会社もあるようです。

5-3.入居後~住んでいる間に出来る対策方法

■換気を十二分に行う

24時間換気システムのイメージ画像

入居直後から住んでいる最中で、1番有効なシックハウス症候群対策は、換気です。
十分な換気は、室内で揮発し充満する化学物質・ダニの好むハウスダストを追い出し、住まいの空気を清潔に保ちます。

換気による窓の結露対策のイラスト

また、ジメジメした空気の排出・換気による窓の結露への対処は、カビの発生・繁殖を減らす効果も期待できます。住み続けることで発症の可能性がある、カビが原因のシックハウス症候群予防にも◎

なお高気密住居には、24時間換気システムが必ず設置されています。効率よく換気を行う仕組みのため、電源は常にONにしておきましょう!

■部屋の中を清潔に保つ

掃除機をかける女性の写真

シックハウス症候群にならないためには、掃除の行き届いた住まいが必要不可欠!シックハウス症候群の症状を重くする、カビ・ダニは、高温多湿な環境を好みます。

さらにダニは、人から出るフケやアカ・食べカスのほか、カビの胞子(ほうし)も食料として好みます。つまり、カビを放置しておくとダニまで増える、負のサイクルに……!

浴室の水分や湿気を除去する写真

まずは、カビを生やさない住まいを目指しましょう!
浴室や洗面所など、石けんカス・皮脂残りによるカビ発生を防ぐには、シャワーでの除去や水滴をふき取ることが効果的です。湿気のこもりやすい、クローゼットやシューズクロークには、除湿剤を置くと◎

布団乾燥機や天日干しでダニ対策をする写真

さらにダニ対策として、お布団・クッション類の天日干しによる湿気取りや、布製品の掃除機がけが有効です!

ダニは、乾燥と熱を嫌います。湿度が50%を下回ると繁殖できず、60℃の高温を1時間与えると死滅します。定期的に日光に当てることで、お布団やクッションへのダニ繁殖を防げるでしょう♪ 布団乾燥機を用いても!

カーペットや絨毯に潜むダニを掃除機で除去している写真

また、ダニが原因となるアレルギー症状のほとんどが、死がいとフンによるものです。

ダニは、小さいものだと体長0.3mmほど、フンはそれよりも小さいため、肉眼ではとても確認出来ません。絨毯やカーペットなどの布製品に住みつくダニは、掃除機で除去すると◎

■芳香剤・防虫剤選びに気を配る

芳香剤の写真

においに敏感な方は、シックハウス症候群の予備軍として特に注意が必要だと考えます。

芳香剤を選ぶ時は、シックハウス症候群の原因となるキシレンが含まれていないもの。防虫剤には、シックハウス症候群の症状悪化となる パラジクロロベンゼンが含まれるため、換気に気を配りつつ防虫剤を使用しましょう。

☑シックハウス症候群とは:住環境が原因で起こる体調不良や健康被害
☑目・鼻・のど・皮膚・神経など、多くの器官に影響が出る
☑シックハウス症候群は建築材・内装材に含まれる化学物質が揮発することで発症
☑家具やカーテン・カーペットから有害物質が揮発することも!
☑カビやダニにより、シックハウス症候群の症状が重くなる
☑シックハウス症候群は住宅の高気密化で顕在化するようになった
☑原因物質を使用しない家づくり・原因物質の含まれない家具選びが重要
☑温度と湿度のコントロールが原因物質の揮発・カビ・ダニを防ぐ
☑住んでからは常時換気・住まいの清潔さを保って対策

今回のまとめ 今回のまとめ

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津田 洋平(一級建築士)
監修者

津田 洋平(一級建築士)

悠悠ホーム株式会社 建築プランナー

家は、お客様にとっては人生最大のお買い物。
建築プランナーの仕事はそんなマイホームに託すお客様の「夢」を図面化すること。
打合せの際には、建築士としてのプロの目と、住む人の目線に立って考えることを大切にしています。
満足いただけるよう一軒一軒が真剣勝負だと思って、ご提案とご説明を尽くすことを心掛けています。

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